APRESIA Systems(日立情報通信エンジニアリング)【Interop Tokyo2017特集】
特集 有料玉川大学が発明した強度変調方式の光通信量子暗号(Y-00)は、光の量子ゆらぎ(雑音)を効果的に用いた高度なセキュリティ通信を実現する技術。Y-00は通信方式を暗号化する物理暗号であり、隣り合う信号の隙間に量子ノイズ(雑音)を入れて、暗号データ自体がどれであるかを分からなくするという理論だ。盗聴者が信号を改ざんしようとしても、設定されている信号の基準値を超えてしまうため成功しない。受信者はどの信号が1か0を表しているかを把握しているので、識別が可能だ。Y-00のような暗号文を盗ませない物理暗号と、SSLやIPsecといった数理暗号を併用することで、光ファイバ回線の安全性を飛躍的に高めることができる。
Y-00は光ファイバアンプで増幅しても安全性が低下しないため、既存の光ファイバアンプ中継伝送に対応できる。国際的な業界標準であるSTM-16/OC-48物理インタフェースに準拠した光および電気インタフェースに対応している。波長1.55μmの高精度CWレーザ光源と光外部変調器を用いており、DWDMを含むすべてのWDMシステムにも対応する。
WDM伝送や光アンプ中継など既存の光通信網への高い親和性や、低遅延で高いリアルタイム性という特長を有したY-00を使った光伝送装置が実用化されれば、物理層での高い秘匿性、高いリアルタイム性を持つ長距離・大容量伝送システムを実現し、さまざまな分野の光ネットワークへの適用が期待できる。
会場ではAPRESIA Systemsブースにて、APRESIA Systemsの光伝送装置製品と日立情報通信エンジニアリングのY-00実装技術を連携させた情報保護ソリューションの動態デモンストレーションが実施され、注目を集めていた。
この記事は会員限定です。新規登録いただくか、会員の方はログインして続きをお読みください。